ss1633 肌
「肌の奥でリサイクルか」
「うん、自分を食べて細胞をリフレッシュするのがオートファジーだけど、同じ物を同じ様に組み替えるだけっていうのは面白くないよな」
「うん、そうだな、どうせならちょっとした変化でもしてほしいよな」
「まあ実際ちょっとづつ老化という変化があるわけだけど、物質の構成そのものは変わらない。面白くない。」
「僕らの遺伝子は地球上での進化を記憶しているんだから、細胞のリフレッシュ時に魚とか鳥とかに部分的にでもなってみたいもんだよ」
「同感だね、でもせいぜい鱗ができるとか、羽毛が生えるとか程度だろうけどね、赤ちゃんや胎児の頃に操作できるんなら鰓とか羽根とかも生やすことができるかもしれないけれどもね、う〜んしかし別の種はちょっと難しいかもな」
「そうだね、じゃ、別の種の人類になるっていうのはどうだい?」
「あ、それいいね、今は地球上では人類は一種類だけだけど、昔は何種類も居た。色々な人類が合わさったっていう説もあるからね」
「塩基配列が残ってれば、クロマニヨン人の肌とか筋肉くらいにはなれるんじゃないか?」
「そうだね、クロマニヨン人になってからまた強力なオートファジーをやってネアンデルタール人とかの肌にも色々変れるかもね、時間をかければ骨だってネアンデルタール人のしっかりした骨に変れてスーパーマンになれるかも」

「…」
「クロマニヨン人もネアンデルタール人も俺らと完全に違う種だったようで、絶滅した人類だったみたいでだめだったけど…、新しめの塩基配列を見つけたんでチョイスしてやってみたら…、なんかこないだ来た宇宙人の肌みたいになったよ」
「俺らほんとは地球出身の生物じゃなかったりして…」
「…」