ss1628 自動相談所
「十六歳前後の少年の凶暴なリンチ殺害犯罪は後を絶たない」
「紀元前から、いや、人間が類人猿だった頃の遠い昔から世界各地で起こり続けている」
「人間の生理の一つとして考えざるを得ない」
「AIが発達して来て、AIの人間にはできない絶妙なカウンセリングにより、事前に沈静させる事が出来るようになってきたが、人間の生理の一つなのにそう簡単に処理してしまってよいものなのか?」
「新撰組の仲間どうしのリンチ殺害、赤軍の仲間どうしのリンチ殺害、オームの仲間どうしのリンチ殺害は外に向かってのものでなく、内に向かってのものだが、正義を維持するのに、必要な行為だったと当事者は言う」
「組織を維持するため、国を維持させるため、地球人類を維持させるためには、仲間どうしのリンチ殺害は必要不可欠な事のようだが…」
「AIのカウンセリングにより事前に凶暴性を沈静させる事により、地球人類は滅びの道を歩む事になるのではないか? 著しく地球人類の生命活力を失う事をそのAIからも指摘されている」
「将来、地球の文明を変えるほどの若い生命活力を失う事なく、十六歳前後の少年の凶暴な行動を抑える事はできないのか?」
「やはり、VR、バーチャルリアリティーの力を借りるしかあるまい、そこで発散させるんだ」

「VR内で仲間どうしのリンチ殺害を経験させた少年たちは今どうしている? 発散後すっきりしてちゃんと社会に協調性のある青年に育ったか?」
「それが…、以前は地球人との仲間意識を強調していた宇宙人が突如裏切り、地球を攻撃してきた。その宇宙人とその元少年たちは仲良くなっていて、我々地球人をリンチ殺害という手段で殺害しています!! しかもそのリンチ技術は上がっています、ただでは殺してくれません」
「しまった、VRもそれを制御するAIもその宇宙人たちから以前、購入したものじゃないか!!」
「十六歳の宇宙人のアイディアだったようです」
「…」