ss1623 dna marking
「シャケって勝手に獲ると犯罪になるんだな」
「ああ、国が管理している。DNA鑑定でどの放流所から稚魚を流したのかまでわかるよ」
「dna markingか」
「ああ、今までも食料品などで簡易的にやっていたが、より精度の高いマーキングが遺伝子に刻まれるようになってきた」
「それってやっぱ遺伝子の発現していない重複遺伝子とかに刻むのか?」
「いや、その重複遺伝子もけっこう間接的だが発現している遺伝子に影響を与えている場合があるから通常遺伝子に読み間違えの無い場所を特定してそこに刻印するようになってきたよ」
「ここか」
「ああ、意外とどの生物にも共通の刻印し易い場所がある」
「これでどこの研究所から作られ管理されている動植物かがわかるんだな、この技術はペットの管理にも使えるし、遺伝子資源の盗難防止にも使える」

「あ、どうも〜宇宙人です。お隣のアンドロポフ銀河からやって来ました」
「お前軽い奴だな、ほんとに宇宙人か? 地球人にそっくりじゃないか、隣ってソ連だろ」
「やだなぁ遺伝子刻印を見てくださいよ、だんな、僕かっちょいい宇宙人なんだから」
「こいつしょうがないなぁ、一応確認してやるよ」

「あっ」
「でしょ、研究所の名前から刻んだ研究員の名前までわかりますよ」
「お前このへんてこりんな文字読めるのか?」
「神様に失礼ですよ」
「えっ…」
「ちみたち地球人のもこの間みせてもらったから、ここまで同じだから、同じ研究所から放流されてますね、研究員の名前が違うだけです。親戚みたいなもんですね」
「そ、そうか仲良くしような」