ss1620 iPS細胞
「iPS細胞、十年でずいぶん進化したな」
「ほんとうにそう思うか?」
「え?」
「ほんとうはもっともっと進化してるんだよ」
「え? やっぱり?」
「金持ちには最低でも五百年の寿命を提示し献金を持ち掛けている」
「やっぱり」
「最初に作った我が国が最先端を常に行ってるとほんとうに思うか?」
「やっぱり違うの?」
「当ったり前だよ、出せる金と人と施設の規模が違いすぎた」
「だよねぇ」
「若い体を維持したままの不老長寿、不老不死への情熱はどこよりだれよりどの国より金持ちたちの多い国が強いんだよ」
「だよねぇ」
「不老不死を手にした金持ちたちへの妬み嫉み対策も金の力で万全だ。大統領警護並みの対策をしている」
「だよねぇ」
「それ以前にiPS細胞の進化を隠し続けられる程の力があるんだよ、金持ちたちには」
「だよねぇ」
「で、ほんとうにiPS細胞技術がこの手の最初の技術だと思うか」
「え?」
「第一期の不老不死の皆さんはもう一世紀も前に一斉に地球を離れられ、今度の第二期の不老不死の皆さんを待っておられる」
「不老不死ともなると寛容だな、宇宙の覇権争いとかしないんだな」
「あまりにも宇宙が広すぎた」
「あ、だよねぇ」
「あまりにも宇宙が広すぎた」
「寂しいよねぇ」
「貧困層にもこの技術は無償で提供される時代が来ると思う」
「う〜ん」
「貧困層にもこの技術は無償で提供される時代が来ると思う」
「う〜ん、この先何世紀も知らされずに行くと思うよ、第一期みたいに」