ss1618 ゴーストラッシュ
「ゴーストってさ、見る人の主観での姿になるん?」
「?」
「イデオンにしてもガンダムにしても裸になるっていうのはなんとなくわかるんだけどさ」
「ああ、うん、服を着て生まれて来て、服を着て逝って、御盆やハロウィンの時にも服を着ているというのは概念的におかしいと思うよ、日本の和服を着たお化けやケルトの妖精の服を着たゴーストってのは本来の姿じゃなくって、見る人の主観で服を着て見えてるんだろうね、でさ、見たの?」
「うん、僕さ、変な主観とかないから」
「裸だった?」
「うん」
「おじさんだったよね」
「髭ぼうほうで全然わからなかったよ、最初」
「…、えっ?なるほど、裸になるだけじゃなくって、本来なら自然の状態のゴーストになるから、髭ぼうほうで現れたのか」
「うん、それで頭は禿つるだった」
「かつらだったんだね、おじさん」
「それで、もう一人ゴーストが居たんだ」
「え?まさかあの超美人だった彼女?」
「すごかった」
「言ってごらん」
「エステで無理してプロポーションを維持していたみたいだった。クマみたいな体形になってたよ」
「顔は?」
「勿論、整形だったよ、話さなかったら絶対他人だと信じて疑わないほどだったよ」
「良かったね、結婚しなくて」
「うん」