ss1610 人類原始化計画
「ゼロ型、O型の人って、毛細血管に赤血球を送りこめ難いからおおざっぱな性格なのかしら?」
「かもね、赤血球に乗ってるABO式血液型物質で、O型は最も原始的な基礎物質しか無い。O型の人にはO型物質に上乗せのA型物質や最先端のB型物質が無いんだ。A型物質やB型物質は赤血球を変形させて毛細血管にまで入り込み酸素や栄養を身体の隅々まで送り届ける事ができるんだ。原始人のO型の人はそれが困難だから、おおざっぱな性格なのかもだよ」
「数千年生きたと言われるアダム、神の作った最初のヒトという機械は神と同じくらい巨大だったって聞いているわよ、赤血球は構造上これ以上は小さくできないから、アダムみたいに巨大だったら問題なかったのかしら?」
「かもね、アダムは繊細な人工知能、いや神工知能とそれに見合った性格を持っていたんだろう。毛細血管も巨大だったわけだから」
「アダムにはA型物質やB型物質は過剰機能と言ったとこかしら?」
「かもね、大喰らいのアダムをコンパクトにするのには必要な技術で神が後付けされたんだろう」
「機能が高くなればなるほど故障もメンテナンスも大変だわ」
「そうなんだよな、O型以外の人間は細菌にもウィルスにも非常に弱い」
「エデンという地球から宇宙に飛び出す時代が来たわよ」
「うん、宇宙は広くて無限に巨大だ」
「人間本来の大きさに戻しましょうよ、宇宙でどんな病原菌に出くわすかわからないわよ」
「うん」