ss1597 コウノトリ便
「僕らデザイナーだから、デザイナーベイビーでも作ろうか」
「そうね、あなたとは遠距離恋愛から結婚までしたけれどまだ子供が居ないものね」
「遠距離恋愛で遠距離結婚生活状態だけれど、今の時代は難なく子供が作れる」
「そうね、あなたは地球に住んでいて、あたしは火星で祖父の時代からの移住者だけれども大丈夫よ、あたしの遺伝子は地球人のとあまり変化してないから」
「うん、じゃ僕の遺伝子の最高に優れた部分だけをチョイスして、デザイナー精子を精製して送るよ」
「まあ嬉しい、あたしもあたしの遺伝子の最高に優れた部分だけをチョイスして、卵子を精製して待っているわ」
「って、実際には本物の精子を送る訳じゃなくて、ゲノムデータから書き出したデータを送るだけだけれどもね」
「ええ、あたしの方もデータを用意するだけだわ」
「便利な世の中になったよなあ、後は機械がその精子データと卵子データを最高の組み方になるまで計算するだけだ」
「そして有機物対応3Dプリンターでプリントアウトするだけね、赤ちゃんだけじゃなく、いきなり少年や少女でプリントアウトも出来るわ」
「僕らより年上にもプリントアウトできるよ」
「やめてよ、もうコウノトリ便、頼むわよ、二人のデータもそこに直接送りましょう、早く子供の顔が見たいもの」
「そうだな、ごめんごめん、有機物対応3Dプリンター搭載の最新鋭の宇宙船だよな、コウノトリ便最高!!」