ss1584 ねこにまたたび
「脱法ハーブって人間版のねこにまたたびよね」
「そうだな、自然界の植物にはまだまだたくさんの、俺たち動物の脳や神経に作用する成分が有るようだ」
「なぜかしらね?」
「植物たちは俺たち動物を操りたいんだろう」
「え・・・」
「なにもそんなに驚く事はないだろう。SF映画じゃない、こうも俺たち動物の生体にマッチした成分を作り出しつづけているわけなんだから」
「う、ううん・・・そうね、一種だけじゃなく複数種の植物が様々な強烈な薬物を作っているわね、しかも人間がそれらを集めてブレンドするよりも、彼ら植物同士のブレンドのほうが強力になってきたわ、植物同士のネットワークが有るのね」
「つるのネットワークだな、しかし、どう考えても植物たちの成長や繁殖には関わりの無い成分ばかりだ、これは絶対に現在の地球の支配者人間をはじめとする動物たちへの挑戦だ」
「確かに大昔の、古代の植物には現在のような危険ドラッグ並みの成分は無かったようだわ。ほんと、あたしたち人間を操作、支配下に置く計画がちゃくちゃくと進んで来ているという事なのね」
「そのとうりだ、おそらくこのまま植物が進化を続けていけば、動物が植物を食べるだけで植物に全てを完全に支配されてしまうようになるはずだ」
「どうすんの? あたしたちの体は植物を食べないと生きていけない体になっているのよ、肉を食べるにもその肉のためには植物が必要だし、さまざまな必需ビタミンだって全て植物無しには獲得できないのよ」
「長いものには巻かれろさ」
「え?」
「抗ってもしかたがない。やっと植物が主役の時代が来たという事さ、おれは植物のつるに巻かれて考える事から開放されたいよ・・・」
「あ、あんたね」
「なんか最近、俺うつなんだよね、やる気が起こらないというか、なんか就職も決まらないし、従軍しようとすれば捕まるし、いっそ植物人間にでもってさ」
「ばかやろう!!」