ss1575 華族
「三世代続けての、他人どうしの、契約家族で、宇宙戦争が無いのは良いんだけど…」
「そうよね、やっぱり一人でも血縁者が居たほうが、より結束した家族になるわよね」
「しかし、うちの家族は爺さんから孫まで全員違う星の出身だ、どうあっても血縁者を産む事はできないよ」
「遺伝子が離れ過ぎてはいるけれど、犬と狼よりちょっと離れた程度よ、異種間ではない、安定したキメラ技術が使えるわ」
「そうだな、その手が有ったな、キメラ技術でうちの家族にも血縁者を作ろう」

「家族全員の遺伝子を混ぜちゃったわね」
「う、うん、この子を中心に、家族として最高の結束ができるぞ」
「な、なんか、各星の特有に進化した部分の遺伝子のみが発現してない?」
「お、おう、一番人間的じゃ無く進化した部分ばかりだな、火星人のタコ足に、金星人の耐熱のウロコ皮膚に、木星人のガスを吸える様に特化したゾウの様な鼻…」
「どの星でも住めるけど…」
「血縁者がうちの家族でもできたのは嬉しいけど…」
「どこを見ても人間じゃないわね」
「…」