ss1572 神曲の巨人
「地獄には、食料が無くて、悪魔たちは堕ちてくる人間を食べるんだな」
「ダンテの神曲ね」
「この世で死んで、地獄でも死ぬのかな? 地獄で死ぬ場合でも、完全に魂まで死ぬなんて事は無いんだよね?」
「たしかそうよね、神や天使や悪魔が死ぬ場合、無になるそうだけど、人間は完全には死なない事になっているのよね」
「で、悪魔に食べられた人間は消化されて、悪魔の細胞に取り込まれるんだろうか?」
「どうかしら? そうかもね」
「人間は永遠の魂をもっているから、それを取り入れた悪魔は死んでも無にならなくなったりして」
「なるほど、そうかもね、神との戦争に敗れた堕天使たちである悪魔は、人間を取り込んで無敵になって再び現在の神や天使に戦いを挑めるかもね」

「ぼくら、死んだんだな」
「あたしたち天国のほうに来れたようね」
「あれ? なんか戦争に備えている時期に天国に来てしまったらしい、堕天使たちと再び戦うのか…」
「あたしたち、天使たちに食べられるのね、普段の天国ではこんな事ないんだろうけど…」
「どっちに行っても食べられるんだな」