ss1570 巨大ウイルスは単細胞生物に寄生していた
「盲点だったな、今まで我々は、人間や動物植物に、我々真核細胞の多細胞生物に感染するウイルスばかりに関心を持っていた」
「細菌より大きい巨大ウイルスは、アメーバなど、単細胞生物に普通に感染してるんですね、人間に既に寄生しているミトコンドリアだってそうだわ、人間が単細胞生物の時に、巨大ウイルスだったミトコンドリアに感染したんだという、古くから有るウイルス進化論の裏付けがなされたのね」
「そういう事だな、巨大ウイルスは我々真核細胞の多細胞生物にはもはや感染してくれない…」
「単細胞生物をしらみ潰しに調べていったら膨大な数の巨大ウイルスが発見されて、みんなそれぞれ個性的な能力をもっていたわ」
「うん、今までのウイルスの遺伝子ゲノムは、数個から数十個しかなかったのに、この 巨大ウイルスときたら、最低でも二千五百もの遺伝子ゲノムを持って居る。個性的で色々な能力を持っていて当然だ。ウイルスなのにこいつらみんな単独でたんぱく質を精製できるしな」
「ウイルスという言葉が失礼なくらい、生物ね、でも形や基本的な性質はウイルスだから、第四の生物としたのね」
「人間を不老不死にする、活性水素を作る巨大ウイルスも見付った訳だが…」
「どうあってもあたしたちに感染してくれないわ…」
「多細胞をばらばらにする酵素はあるよ」
「そうね、いったんあたしたちのほうが単細胞生物に戻る必要があるのね」
「まてよ、そうだ、戻る必要はないよ、我々が単細胞の受精卵の時に感染させればいいんだよ」
「なるほど!」