ss1565 がん幹細胞
「がん幹細胞の研究が活発だな」
「ええ、でもどうしてそんな変な細胞が存在するのかしら?」
「たしかにそうだ、今までがんは普通の細胞が壊れてがん細胞になると考えられてきたが、がんを作るがん幹細胞が存在して居たなんてな」
「なんのために存在しているのかしら」
「なんらかの存在意義があって、必要だから存在しているのか、それとも純粋な悪玉≠ネのか…、だな」
「ええ、がん幹細胞を死滅させて人間をがんから解放する事は、ほんとうに良い事なのかしら?」
「うう〜ん、細胞内細胞の人間本体の細胞に寄生しているミトコンドリアは、本来不老不死の人間本体の細胞に老化と死を強要させた代償に、莫大なエネルギーのプレゼントをくれているわけだが、がん幹細胞もなにか素敵なプレゼントを人間にくれているのかもしれないな」
「そうよね、そう考えるのが普通よね」
「いや、まてよ、もしかして我々に寄生しているミトコンドリアに対抗して、不老不死の体にもどろうとしているんじゃないか?」
「なるほどなるほど、そっちの説のほうが説得力が有るわ、そうかもね、がん細胞の最大の特徴は不老不死だものね」
「今、がん幹細胞の死滅の研究がさかんだけど、人間本体の細胞の正当な進化だったら、根絶する事は不可能だぞ」
「そうよね、進化の邪魔をして良いのかどうかよね」

「あ、タイムマシンで未来人が来たわ」
「どうもー、未来人です」
「あんた、顔色悪いわよ、しかも動作がゆっくりで機械の世話にならないとまともに歩けないようね」
「はい、人類は自然進化により、ミトコンドリアに勝利したものの、全ての細胞がエネルギー効率の悪い本来の細胞だけになってしまいましたんで…」
「ばかやろう!」
「そんなこと言われても…」