「長い宇宙生活では、植物は自由に大きく伸び伸びと生きて行けるようだけど、人間を始め、動物はやっぱり、重量が無いとだめね」
「植物は骨が無く、細胞壁で自分の体を支えないといけないから、硬くならないといけなかったけど、無重力だと全然関係なく、光の有る方にしなやかにストレス無く成長できるようね、でも、人間は無重力では骨が弱くなって、宇宙での長期滞在は悪影響が多すぎだわ」
「で、人工重力機が完成した訳だけど、技術の進歩は凄いわね、けっこうコンパクトよ」
「ええ、価格も個人で買えるまでになっているわ」
「宇宙での利用だけじゃなくって、地球でも使うようになったわね」
「そうそう、あたしのおばあちゃん、まだそんなに歳じゃないんだけど、人工重力機を自分の部屋に導入して、少し重力を重くして、骨粗しょう症対策をしてるわよ」
「まあ、やるわね、あなたのおばあちゃん、サイア人にならないと良いけどね」
「だらしないのはおじいちゃんよ」
「あなたのおじいちゃん、部屋から出られないほど太って、動き回る事もできないのよね」
「そうなのよ、おばあちゃんとは対照的だわ、おじいちゃんも人工重力機を自分の部屋に導入して、かなり重力を軽くして、飛び跳ねられるようになったわ」
「…」
「各家庭、各部屋で重力がエアコンの様に変えられるようになったんだけど…」
「なんか、地球の地軸が不安定になって来てない?」
「揺らぎだしたわね、バランスが大切よ」
「移動できる家とか部屋にして、地球全体でバランスをとらないと大変な事になるわ」