ss1555 片方づつ
「片方づつ、ですね」
「そうゆうものだ、鼻は必ず交代しながら詰まり、両方いっぺんには詰まらないように出来ている。虫歯の痛みも巡回して同時には痛くならない。おたふくも、ものもらいも片方づつだ」
「計画的に人間は病気になるんですね」
「そういうことだ」
「それをもっと計画的に、アクティブに利用できるようになりましたね」
「う、うん、そ、そうだな」
「人間の体は故障しても、シンメトリーのパーツを交互に病気にさせて戦わせて、致命的な状態になる事から回避しています。しかし、心臓や肝臓は一つです。背骨も頚椎も…」
「そうだな、しかし、分裂する時に綺麗に二つに分裂できるようにした」
「はい、昨今の宇宙での活動では、未知の病気が多く、医療が追いつきません、そこで病気になったら、片方に症状を集中させて、センターから分離して、致命的な状態から回避する方法が生み出されました」
「病気になって、分離して捨てた半身は、また生えてくる」
「はい、トカゲのしっぽ切りの遺伝子を取り入れました」
「半分の体…、きみも、ぼくも、半分になった時に、合体して一人にならないかい?」
「いやです」
「…」