「サイボーグの手足は、生活空間や仕事の種類によって交換できる」
「そうだな、宇宙空間で作業する時には吸盤型の手を付けたり、ジェット噴射の足を付けたりする。戦争したい時は手をビーム砲に取り替え、足は戦車のキャタピラにしたりする。便利なもんだ」
「だが、サイボーグも良いが、完璧ではない。剛には長けているが、柔がない」
「そうだな、そこで生体パーツ技術の目覚しい進歩が有った。免疫システムの完璧な解明操作と異種異物との融合技術の進歩だ」
「この技術で、出先でも簡単に、手を熊の手に変えて力仕事をしたり、足をタコの足にして柔軟に海の中でも移動できたりするようになった。また、状況によっては、手足を逆に付け替えて、狭い洞窟などを探検しやすくもなる」
「生体の場合は、手足だけに今のところ限られている」
「うむ、頭部の交換をしたら、アイデンティティーが無くなるし、性器まで交換したら、キメラだらけになってしまうからな」
「この技術って、他人どうしとの合体にも応用できちゃうんだよな」
「それも禁止だ」
「禁止して守られた事ってあるか？」
「…」
「ぼくたち愛し合っているよな」
「融合しようか」