「やはりこのいっぱいある復元ポイントは全部おまえが設定したものだったんだな」
「う、うん。記憶に無いが、きみも、僕自身もどうやらタイムスリップしているようだ、復元ポイントをいじるたびに時間を飛ぶようだ」
「そのようだな、俺らの遺伝子だけに復元ポイントが無い」
「僕らの今居る海底に作った研究所だけど、アトランティスが沈んだとされる位置だ。遺伝子をいじる研究で秘密を厳守するために此処に作ったんだけど、特別な磁場空間だったようだ」
「うちのサルになってしまった教授…、俺の記憶も無いんだが、俺が残したらしい記録データによると、前回飛んだ時にはあの有名な空想主義者のプラトンになったって書いてあるぞ」
「えっ、あっ、きみはそのプラトンの研究のために人間界に潜入したアリストテレス…って書いてあるぞ」
「現実主義者のアリストテレス…、俺らの存在のほうが現実なのか…、そのポイントよりもっと昔に、俺が地球上から空中都市だったアトランティスにサルたちを実験動物として連れ込んだようだ」
「僕らは神だったって事?」
「あ、おまえその鳥の復元ポイントをいじるのは、やめといたほうがいいかもよ」
「そうだな、鳥の直系の祖先は恐竜だからな」
「俺らは何億年前から此処に居るんだろうか…」
「サル教授のこの付近のかたまってる復元ポイント…、、、」
「やめとけ、短期間で何度もやり直している、未来の人間の姿に違いない、なにかよからぬ進化が人類に有ったんだろう…」
「わざわざ西暦で記しているな、きみの記録媒体には…、西暦2673年…、皇紀と間違えてないか?」
「未来じゃなく、それが現代の可能性がある。サルを俺らに似せるのにも限界があったという事じゃないのか?」
「今、外は人間などいない時代になってるはずだ」
「ここからなにもいじらず、新たなパラレルワールドをはじめよう」
「自然に任せるのが一番かもな、地球には人間なんてものは居なかったんだよ」