「シャーレで立体的にならずに行き詰っていた、アイピーエス細胞の研究の解決策で、動物の体の中で、人間の体の部品を公然と作れるようになって久しいけど、研究進んでる?」
「それが…」
「なあに? どうしたの」
「どうしたもこうしたも、うまく行き過ぎて、異物拒否も簡単にクリアしちゃって、キメラを通り越しちゃって、細胞レベルで、遺伝子レベルで融合しちゃいました」
「あらまあ、地球の生物は一つの生命から分かれて行ったっていうのは、やっぱりほんとうだったのかしらね、簡単にクリアしちゃったのね、でも本来の立体的で正常な、人間の臓器生成育成から外れているわよ」
「大丈夫です。どんな状態の融合細胞からでも、取り込んだ人間をはじめとする個性を、再精製するプロセスも解明できています」
「あらまあ、素敵、…、なに? そのアクションポーズは」
「へんしん、とうっ」
「ブタがアクションポーズを決めて、しゃべったかと思ったら、人間に変身したわっ!」
「新たなるアイピーエス細胞の誕生です。地球上の全ての生物を融合できて、そして再びなんにでも変身できるのです」
「この変態やろう!」
「…、ええ、変体とは言ってませんよね、ブタ人間さんに失礼ですよ」