「遠隔操作で遠く離れた星の患者を診察できるようになった」
「凄いマシンが作られたものね、触診も本当に触っているような感覚が、このマシンの体を通して忠実に帰ってくるわ」
「匂いだってさまざまな匂い元素の組み合わせで忠実に再現できる」
「これ、すごすぎだわ、遠距離恋愛もリアルにできちゃうんじゃない?」
「医療用に開発されたものだけど、いろいろ応用利用がはじまった。ネット通販で実際に触って匂いも嗅げて、商品も確かめられるわけだから、リアルな遠距離恋愛も可能になった訳だな、一般利用普及で恋人とキスだって、セックスだってネットを通してリアルに可能だ」
「でも、赤ちゃんは作れないのよね、擬似的にでも家族が欲しいわ」
「いや、機械の体はそれも忠実に作れるようになったんだよ」
「まあ、凄いわ」
「四つの塩基暗号を元に物質を制御できるようになった。アデニン、チミン、シトシン、グアミンというやつだ、単純だが、これで全ての触診マシンを現地で新たに生成できる」
「へえ、形もあたしたちにずいぶん近くなったじゃない? なんて名前なの? この触診マシン」
「人間≠チて名前が付いているよ、ほら、顕微鏡とかを作ってた会社売買で問題を起こしてたオリンポス≠チて会社の再起事業だよ」