「一生懸命生きている人、人のために頑張って生きている人、真面目に生きている人に限って、深刻な病気になるっていう事実、現実はなんとかしなければいけないとは思わないかい? 肉体的にも精神的にも疲れ果て、人のために傷付いて、もがき苦しんで、苦しみ抜いて死ぬ人も居るんだよなぁ」
「そうよね、そんな賢人とは正反対に、他人に対して常に理不尽なストレスを発散させながら、適当に気ままに自由に生きている人に限って、ピンピン健康に楽しく生活しているってのは、どう考えてもおかしいわよね、殺人を犯しても、レイプしても、心を痛めず、へらへらして全然平気な人まで居るわ」
「絶対に逆転させねばならないよな、どう考えてもおかしいよな、一生懸命生きている人は病気にならないような丈夫な体にしてあげたいよな、そして犯罪を犯しても記憶に残さず、平気な人には、重い病気になるように絶対にしたいよな、あの世、天国地獄が本当にあるんなら話は別だけどな、とにかくなんとかしなければならない」
「そうよ、この現実に向き合わなければならないわ、賢人だって生きているうちが花なんだからね、死んだ後に称えられたって、なんにもならないわ」
「という事で、各々の行動をした時に出る様々なホルモンの作用を、人間の倫理に合わせる遺伝子を書きました。よ。っと。」
「それを入れてからけっこう経ったわよ、…平和ね」
「なんかな、当前の世界ってなんかつまんないな、行った行為の質の分だけ、等質な作用が身にも心にも帰ってくる世界って、なんかな、」
「はらはらドキドキもない世界なのね、結果が判る世界、良い事をすれば身も心も等分の良い状況になるって、なんなのよ! なんなのよ! なんなのよ!!」
「天国ってこんな退屈な世界なんかなぁ、地獄もそうなんかなぁ」