ss1527 臓器生産解禁
「動物の体の中で、人間の体の部品を作れるようになったわね」
「ええ、どの国も再生医療の推進をあせっているわね、脳と生殖器は動物の体の中で作っちゃいけませんって事だけど、そんなの今回のようにすぐにまた解禁になっちゃうわよ、他の国に遅れないように、脳と生殖器も動物の体の中で作るわよ!」
「ええ、医学の進歩、科学の進歩の歴史は事後承諾の歴史だものね」
「で、動物っていうか、このあいだ捕まえて来た宇宙人の体の中で、あたしたち人間のクローンパーツの脳と生殖器を育てようと思うんだけど…」
「いいんじゃない? ブタなんかの体であたしたちの崇高な脳を育てさせたくないわ」

「やっぱり、宇宙人は遺伝子が離れすぎていたわね、だめだわ、あわよくば、宇宙人たちを地球人の脳で支配しようと思ったんだけど… 繁殖も期待してたんだけど…」
「だから、さいしょっから普通に人間の体の中で作っちゃえばいいのよ」
「そうよね、医学の進歩、科学の進歩の歴史は事後承諾の歴史だものね」

「あら、かわいいお嬢ちゃん、でも貧困地区の子ね、あなたは誰のクローンパーツを育てているの?」
「えーと、脳も生殖器も心臓も肝臓も腎臓も、盲腸も、も、も、も…」
「あら、全部ばらばらなオーナーかと思ったら、お金持ちの一人の人じゃない、こんなんならさいしょっから普通にクローン人間として作ったほうが安上がりよ」
「そりゃそうだよっと、ね」