「えっ!? 一卵性の男女の双子たち…!?」
「そうよ、人類から選りすぐった知力体力に長けた遺伝子を持っているわよ」
「なんで一卵性で男女の双子なのよ!」
「だから、人類をより優秀な種に創り変えるためよ、性染色体のY遺伝子なんてX遺伝子を元にいくらでも変形させて作れるじゃない、逆は情報量の差が有り過ぎて不可能だけどね、初期胚の段階で簡単に操作できるようになったのよ」
「で、なんで?」
「だから、成長したら、双子どうし生殖させて、より重複した強力な才能を持つ人類を生み出すためよ、今は双生児の創世時なのよ」
「確かに、近親相姦とは根本から違って、奇形児は産まれず、逆に丈夫な子供になるわね」
「そうよ、そうして出来た優秀な子供も男女の双生児として産ませて、選別して、さらなる優秀な遺伝子だらけにして、何世代か続ければ、人類は神になれるのよ」
「あたしたち、単なる研究作業員の遺伝子は、最初から選に漏れたのね」
「え、ええ、新人類にはなれなかったわね、血液検査しただけで、ゲノムさえ見てもらえなかったわ、今の時代、個人のゲノムなんてすぐに見れるのに…」
「…」
「予備遺伝子として、サンプルとしてでも残してくれないかしら…」
「女々しいわよ」
「あたしたち女々だし…」