ss1514 変身の代償
「遺伝子は…、XXなのに…、男性ホルモンを胎児の時に大量に浴びせると男になってしまうのね、しかも調整しだいではXYYの超男性と同等にもなれる」
「そう、哺乳類の女性、雌の胎児は基本体なのよ、ホルモンしだいでどんなものにもなれるのよ」
「え? どんなものにも」
「そう、女を改造して男が作られたっていうのは医学の世界では当たり前だけど、胚の時は人間以外のホルモンもけっこう有効なのよ」
「なんですって!」
「公にはされていないけど、昔から女の胎児に対しての特性ホルモン投与の人体実験は行われて来たわ、封印された大日本帝国、ナチスの実験よ、強靭な兵士の製造と好奇心でやってたみたいね」
「まだ続けていたのね…、ここに居る半魚人やケンタウロスもどきは高度な遺伝子操作やキメラ技術で作っていたと思っていたわ」
「そんな膨大な研究開発費が、クライアントがフリーメーソンとはいえ、出る訳ないじゃない、簡単に調合できるホルモンで偶然を頼りに膨大な実験数で成果をあげてきたのよ」
「…」
「そう、今まで何万人も失敗してきたわよ、初期胚で結果は判るようになったから、その時点でトイレに流しちゃうし、罪悪感なんて無いわ」
「そうよね、それに普通に女性は毎月卵を殺しているし、男性は普通に精子を一生の間で星の数程も無駄にして殺しているものね、罪悪感なんて有る訳無いわ」
「そういうことよ」