ss1511 顔認識
「指紋や虹彩に加えて、遠くからコンタクトせずに個人認識できる顔認識技術がずいぶん進化してきたんだな」
「そうね、でも、仮面を付けられたり整形手術を施されたりしたらおしまいよ」
「そうだな、そこでこの遠隔レントゲンカメラだ。これで骨格を見て個人識別を行える」
「これは完璧ね、骨格まで整形手術はできないわ」
「しかし密入星している不法滞在の火星人にも有効かな? なんか骨がなさそうだけど…」
「地球のタコにはちゃんとちいさいけれど骨は有るわよ」
「なるほど、使ってみるか」

「映らないわね」
「いや、軟骨なんだ、それなりにちゃんと映っているよ、これは有効だ」
「なるほど、軟骨ってこうやってフレキシブルに動いてぶれて見えるのね」
「い、いや、これは… 遠隔レントゲン撮影されているのに気付かれたようだ、骨を変形させてごまかすつもりだ」
「やっぱり火星人には従来からの指紋…、いえ、吸盤認識ね」
「そうだな、吸盤の形は一つとして同じものはないからな、そうだ! 吸盤がでかいから顔認識技術が応用できるぞ」
「手袋とかズボンとか履いたら歩けないから、これは完璧ね!」