「生まれ付きの身体傷害者は我々とは違う宇宙で生きて居る」
「そうね、人生の途中から身体障害者になった人とは違うわ、人生の途中から身体障害者になった人は私たち健常者と同じ宇宙に居るけど、生まれ付きの身体傷害者はあたしたちとは違う宇宙で生きて居るわ」
「生まれ付き目が見えない人は、人間と言う物が、物体が、どういう形や色をしているのかさえ判らず、独自の想像を繰り広げるしかない」
「そう、それに最初から一人では独立して生きてはいけず、健常者や施設の世話になる訳だけど、その事は当然の事だし、あまり考えないわ、生まれ付きそういう人はそういう宇宙で生きて来たのだからね、自分の力だけで生きて来たと思っている人も居るわ」
「しかし、長年のデフレで医療分野も圧迫されている」
「かわいそうだけど、ただ医療費を消費するだけの身体障害者は絶滅≠ウせないといけない時期になったわね」
「ああ、この地球という施設に入っている身体障害者たちが、今回のターゲットだ。なんか彼らはこの施設を独立した星だと勘違いしているがね」
「本当の世界を判らない身体なんだからしょうがないわ、そうそう、昔は手厚い世話をしていて、その頃彼らはあたしたちを神≠ニか呼んでいたわよね、彼らからするとなんでも出来るからなんでしょうけど…」
「僕たちは単なる、どこにでも居る健常者≠ネのにね」
「彼等の想像の宇宙≠フ中では、隕石というものがぶつかって一瞬で蒸発するのが素敵な死に方らしい」
「簡単な事ね、子供でも設置できるわ、それにしましょう」