「細胞のがん化≠ノミトコンドリアが関与しているそうだ、がんの転移をしやすくしている」
「そのようね、それからミトコンドリアは糖尿病やリンパ腫を発症させやすくしているようよ」
「ミトコンドリアって…」
「ええ、ミトコンドリアって自分が滅びようがなにしようが、本体の細胞を破滅させるウイルスとまったく同じ行動をするようなのよね」
「ああ、ウイルス進化論で言うと本体の細胞にウイルスと同じように感染して入り込んだのが、ミトコンドリアとされているよ、だからミトコンドリアには他の細胞小器官と違い、独自の自分の遺伝子を持っているんだ」
「ええ、知ってるわ、本体の細胞は元々不老不死だったんだけど、ミトコンドリアの進入同居でエネルギー工場は貰ったけど、同時に活性酸素による老化と死が与えられたのよね、それに加えてがん化≠竍糖尿病≠竍リンパ腫≠発症させていたとは…」
「なんでミトコンドリアやウイルスってぼくらの本体の細胞を死滅させないと気がすまないんだろう?」
「ウイルスほどのスピードじゃなけど、ミトコンドリアも自分の遺伝子を変化させていくわ、そうやってどうにかして本体の細胞を死滅させたいようね」
「ああ、そのミトコンドリアの変化を利用して生物の進化の道筋がわかるけど、本体の人間の進化とはまったく関係ないんだな」
「厳密に言えば、生物の進化じゃなくって、ミトコンドリアの進化・変化なのね、それに付随する本体の抗う変化が進化だわ、本体の細胞はそうやって侵入者のミトコンドリアと戦って来たのね」
「ウイルスって宇宙から降り注いでやって来るんだよな、彗星からも来る」
「ミトコンドリアもウイルスの一種のようだから…」
「インベーダーなんだね」