ss1476 合体 |
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「食べるという行為は、単純に物質の交換をしているに過ぎない」 「そうね、成長も宇宙にある物を取り入れて配置し直しているだけだわ」 「死んで分解されても物質やエネルギーが宇宙から消える訳ではない」 「等価交換ね」 「等価交換だ」 「最近あたしたちの宇宙、物質が…、エネルギーが消滅してない?」 「してるな、宇宙の寿命はまだまだなのにな…」 「というか、宇宙の寿命が来て、収縮、あるいは拡散したとしても、質量の消滅なんて有り得ないわ」 「隣の宇宙の仕業だな」 「ビッグバンで、宇宙が一つだけしか生まれないという考えは物理学の計算の世界では有り得ない訳で、泡状に宇宙が複数生まれている筈だからね」 「膨張が進んで、物質が薄くなった宇宙が、我々のまだちょっと濃い宇宙を吸収している様だな」 「物質濃度を、宇宙どうしで同等の濃さになろうとする、自然現象なのね」 「あ、俺、隣の宇宙に行く様だ、さようなら」 「さようなら、あたしは向い隣の宇宙に行くようよ、また会いましょう」 「ああ、そのうち全ての宇宙が一つになるだろうからな」