「宇宙が収縮死滅とビッグバン膨張再生を繰り返している様に、全ての存在には破壊と再生が有る」
「うむ、その時に重要なのが、程よいストレスだ」
「ああ、小さいものではプランクトンが成長する時に、太陽の紫外線により遺伝子が傷つけられるが、それを修正するという行為があって初めて正常な大人になれる。遺伝子が傷付けられずに保護されて成長すると、奇形の大人になったり死んでしまったりする。プランクトンだけでは無い、全ての生物は成長段階で遺伝子やたんぱく質が程よく破壊されて始めて正常になる様になっているのだ。」
「それは心の生成でも同じだな、なんの苦労も破滅的な事も無く生きて来た場合は、非常識な性格になるが、心を破壊された後、苦労や努力での再生があった場合、正常な性格が育まれる」
「そこで緻密にストレスをコントロールする事により、どんな事でも出来るという事が判ってきた」
「うむ、火山の噴火や隕石の落下の誘導などによるストレスを調整する事により、この地球という星で、ほんの短い時間の間に、単細胞生物から人間という高度な生物を作り上げる事が出来た」
「戦争をする様にも操作して、より正常な心と肉体の者が支配者として生き残れる様にもして来た」
「ああ、倫理の全く無かった日本が勝っていたら世界は今頃無くなっていた。今はアメリカの世だが、中国をアメリカ以上の正常な状態に出来るか?」
「出来るでしょう。良いストレスを考えましょう」
「そうだな」
「でも、我々の仲間になるにはまだまだ先の様だ」
「そうだな」
「実験室で育てた生物が我々の仲間になるなんて…、感慨深いものがあるな」
「そうだな」