「国家プロジェクトのips研究開発をしている人たちの九割が非正規雇用とか言ってたけど、ほんとうかね」
「別に驚かないわ、市役所だって、裁判所だって、今では当たり前よ」
「う、うんそうらしいよな、優秀な人たちがどの分野でもパートやアルバイトだ。そういう時代になってしまったんだな」
「非正規雇用といえども、日本は他国と比べればかなり良い条件ではあるわ、待遇も社会保障もちゃんとやってるとこはちゃんとやってるからね、能力次第だけどね」
「あ、宇宙人が攻めて来た」
「どうもー、宇宙人です。侵略に上がりましたー」
「ずいぶん軽い侵略者ね」
「ええ、自分アルバイトなもんで」
「…」
「あんた、ちゃんと食べてる? ひょろひょろよ」
「え、ええなんとか大丈夫です。侵略兵器だけは最新型ですから」
「おいしいところはクライアントの宇宙人がみんなもってちゃうんだろ?」
「はあ、そんなところです」
「地球上で最初に降り立ったところが、日本で良かったわね、ここは非正規社員大国よ、能力次第で家も建てられるわ」
「ぼくを、ぼくたちを今よりもっと良い条件で雇ってくれるんですね」
「そんな最新型の侵略兵器を扱えるのに、優秀な兵士なのに…」
「えへへ」
「ちゃんと食べられるわよ、侵略兵器はそのまま持ってて良いわ、すぐ使う事になるからね」
「イエッサー、ボス!」