ss1437 別腹 |
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「スイーツは別腹ね」 「もちろんよ、草食獣の胃袋が消化の段階に合わせて複数に分割されているのにヒントを得て、あたしたち人間も消化する食べ物の種類ごとに複数の胃袋を作ったんですものね、意思で動く食道鞭で自由に胃袋を使い分けられるわ」 「スイーツは甘いから、普通の胃袋で早く消化してしまうと糖尿病になっちゃうから、ゆっくり消化できるように調整した胃袋に入れようっと」 「朝、目覚めが悪い人やスポーツしたい人は、スイーツを逆に早く消化できるように調整した胃袋に入れるわね」 「そうね、体の調子や目的に合わせて胃袋が選べるようになったのは大変便利だわ」 「あら、あなたのワイルドな旦那がお食事に現れたわよ」 「やあ、いらっしゃい、俺はこの骨付き肉を丸ごと食べるんだ」 「まあ、ほんとうにワイルドね、どんな胃袋していらっしゃるの?」 「もちろん超強酸性胃液が出る胃袋にいれるのさ、ものの十分で消化されて血や肉やエネルギーになってくれる。ワイルドな力仕事にいつも活用している胃袋だ」 「あなたいつもワイルドなんだから、その胃袋一つだけでよかったんじゃないの?」 「あっはは、そうかもな」