「空気を読めない人が存在するなんて…」
「ほんとよ、今の時代顔色や体温を測るセンサーが発達していて、相手の気持ちとかがある程度判るようになっているのに…」
「メガネやコンタクトにそのセンサーを仕込めるし、より詳細に分析したいならスマートフォンをそっと相手にかざすだけでデータが得られるのに…」
「この男、なんにもそういう機器をもっていないのかしら、むかつくわ、全然マイペースじゃない、空気を読めよ」
「ほんとよ、今の時代空気を読む機器を携帯してないなんてありえないわ、信じられない、社会への反抗よ」
「おっ、きみたち、僕に気がある様だね」
「なんですって、今あなたの悪口を言っていたのよ、空気を読めって」
「そうよそうよ、あら、ほんとうに空気を読む機器を携帯してないじゃない!」
「僕にはそんなの必要ないね」
「まあ、なんて事言うの現代のエチケットじゃない」
「そうよそうよ」
「そんなオモチャで遊んでんなよ、僕と遊びたいんだろ」
「あなたね!」
「なに言ってるの!」
「これさ、僕金持ちだからさ、きみたちの心が判るんだ」
「ぎゃっ! 超高級品の読心増幅器じゃない!! テレパシー機能付きだわ」
「あたしたちの心が丸見えだったのね…」