「良いブーツね」
「良いでしょう、このブーツ自動で歩いてくれるのよ」
「それは当たり前よ、最近の新製品はみんな自動で動いてくれるわ」
「そうね、便利になったものだわ」
「あたしのこの手袋なんか、家事はもちろん手書きの年賀状まで書いてくれるのよ」
「まあ凄い、今時手書きしてくれるなんてね」
「それからあかちゃんのおむつも全自動で綺麗に処理してくれて、自分でたたみ込んでくれて、後は捨てるだけになるのよ」
「まあ凄い、あらら、あなたの服…、いつの間に着替えたの」
「やーねー、知ってるくせに、服の色やデザインは設定時間、あるいはランダムに自動で変化してくれるんじゃない」
「そーよねー、一度の出費でいろんな服になってくれて、女性には嬉し過ぎるわ」
「しかもあたしのこの服は高級品で、冷暖房完備よ」
「まあ凄い、だから冬なのにそんなに露出したドレスが着れるのね」
「あっ、画家のおじさんが来たわよ」
「今日は実演してくれるのよね」
「来て早々いきなり描き出したわよ、さすが画家ね」
「まって、あのベレー帽…」
「ああ、やっぱり、おじさん高齢だものね、ぼけてきたっていってたし」
「ベレー帽の指令で描いてるのね」