ss1409 引き篭もり
「文明国には何万人もの引き篭もりの人が居る」
「そうだな、引き篭もりは文明国でないと成り立たない生活様式だ、生活に余裕がないと何万人も生かし続ける事は不可能だからな」
「この国の引き篭もりは…」
「我々の引き篭もりセンサーだと、総人口数を遥かに超えている」
「数が合わないとはどういう事なんだ」
「一人この宇宙船に拉致して来て、調べて見る必要があるな」

「あなた方は? 僕、UFOに!?」
「そうだ、我々は宇宙人だ。地球に宇宙の統合宗教の伝道に来た伝道師だ」
「機械の体なんですね」
「電動で動いている伝道師だ」
「で、僕にその宇宙の統合宗教を? 興味ないね」
「そんな選択肢はきみらには無い。それはそれとして、どの星にも居る引き篭もりの数が、この星のこの国では引き篭もりセンサーが誤作動するのだ」
「心を読み取るセンサーかなんか?」
「そうだ、引き篭もりの人間への伝導活動はどの星でも困難を要する、この国では人口よりも遥かに多い数を示したのできみを捕獲して調べる事にした」
「解剖させてもらうよ」
「やっやめろー」

「どういう事だ!? 中から一回り小さな人間が!!」
「もう一度割ってみよう」
「うわっ、まただ、こいつの隣の国にマトリョーシカ人形というものがあるが、それと同じだ」
「何重にも引き篭もっているという事か、アニメ、ゲイ、ロリータ、アスペルガー、…、踊ってみた? ミクミクダンス? いったい何層になってるんだ…」
「手ごわいぞ、我々はこいつらに宇宙宗教を伝導できるのだろうか…」