ss1403 データの救出
「しまった」
「どうした!?」
「アイエヌアイファイルっていう変な拡張子のファイルが有って、それを消したら…」
「それは設定ファイルだよ、また最初の今≠ゥら仮想四次元世界であるパソコン内の三次元の世界を作らなきゃならない。整理好きのきみの事だからゴミ箱からも消しちゃったんだろう?」
「そ、そうなのよ、不明なファイルが有るのが許せないし…、全てあたし好みの彼氏たちに完璧に過去も未来も作ったのに…」
「…、データの救出ソフト使って見る?」
「う、うん…」
「単純な文章だけとか、画像映像だけとかなら完全にデータの救出は可能なんだけど、これだけ複雑なプログラムソフトのデータはどうかな?」
「あたし、この、地球というプログラムソフトの中の彼氏たち、愛してるのよ、もう殺したくないの」
「…、やってみよう」

「げげっ!! 過去と現在と未来の記憶がランダムに混ざって復元されちゃったよ」
「これは…、もう整理は不可能ね」
「この子…」
「ああっ! あたしの一番のお気に入りの彼氏じゃない、腕が六本になって阿修羅になっちゃったわ」
「あっ、何回かデータセーブしちゃってるから、ゲームの最初の状態には戻せないようだ、それに大元のパソコンのリカバリーではこの地球というプログラムソフトはおまけの特典ソフトだから入って来ないよ」
「いや〜ん、新型パソコンまた買って来て」
「地球というプログラムソフトが入ってるやつは人気だったからもう売れ切れだ、みんなそれぞれの地球を作って触って遊んでるんだろうな」
「やだー!! こんなキメラだらけのキメー地球なんてやだー」