「彼ら、地球というプログラムソフトの、あたしたち実在する四次元の人間に擬似的に作られた三次元の人間たちの心って、どうとらえるべきなのかしら?」
「彼らを再起動で一回殺しちゃった事? あんまり気にすんなよ、しょせん三次元の世界での事じゃないか、彼らはほんとうには生きちゃいないんだし」
「そうよね、設定で寿命というものがあって、ほっといても死んじゃうのよね」
「うん、死ぬ事に関しては怖がっている人が多いね、でも、それは医療を発達させるとか、機械化するとかの項目が有るだろ?」
「あ、あったあった良かったこれからはみんな永遠に死なないのね」
「いや、その地球というプログラムソフト、アカウントを他のパソコンに引き継げないから、この新型パソコンの寿命とともにお終いだ。高度なプログラミングなのでパソコンと一体型なんだ、つまりこの新型パソコンが彼らにとっての宇宙という事になっている」
「ふーん、ところで、このソフトいきなり今≠ゥら始まってるけど、なんで?」
「宇宙の始まりや地球の始まりは後から考えて、過去の記憶として彼らに植え付けた、そんなところじーっと見ててもゲームとして面白くないだろ?」
「確かにそうね」
「あら、彼ら、永遠の命を得たのに、まだ怖がってるようね」
「ほんとだ、死の恐怖に怯えていた時代となんか同質のもののようだね」
「自分が生まれる前が有ったっていうのがたまらなく怖いみたい。宇宙に始まりが有ったっていうのがたまらなく怖いみたい。」
「過去を修正する。過去を作るっていう設定項目も有るよ」
「良かった、これであたしの彼氏たちの心、満足ね、華やかな永遠の過去を作っていってあげるわ」
「…」