ss1401 飽きちゃった
「地球というプログラムソフト、なんか調子が悪くなって来たわ」
「タッチパネルで彼らを触り過ぎだよ、彼ら三次元の連中からすると四次元の僕ら、実在している僕らは見えないし、霊感の強い人からすると幽霊に触られた感じになるようだし、頻繁にそんな事やってたらプログラムがおかしくなるのは当たり前だよ」
「だって〜おもしろいんだもん」
「いくら仮想現実の生き物だからって、ちゃんと心というプログラムが動いてるんだから…」
「ほんとすごいソフトだわよね、心が自動で変化していくのね、仮想世界の中での生活でね、でもなんか反応がつまんなくなってきたから一回クリアーしたいのよ」
「データをセーブしないでプログラムを閉じるだけで良い筈だよ、この新型パソコンで地球というプログラムソフトを起動して初めて閉じるわけだから」

「ソフト、再起動したわ、どれどれ、おおっ!! この男の子何度もタッチパネルで触ってて、全然驚かなくなってたのに、初めて触られた時の驚きようだわ」
「でも、ちょっと違うでしょ? 前回の起動の時とまったく同じようには触れないからね」
「ほんとうだわ、微妙に驚き方が違っているわ、心の変化も微妙に違うみたいだわ」
「そのまま前回とは違う操作をしていくと地球のみんなは前回とは別人のような心に、人格になってゆくよ」
「人物設定は同じでも、前回とは別人なのね、じゃああたしは…」
「そう、セーブしなかったから前回の人たちを殺しちゃった事になるね、彼らにとっては記憶だけが生きた証だからね」
「…」