ss1396 缶詰
「宇宙食用にどうですか?」
「ああ、缶詰だね、でも食べた後、缶が邪魔になるなあ」
「今はスチールだけじゃなくて、レアな金属でも缶を作ってるんですよ、宇宙船の修理素材としても重宝しますよ」
「ほほう、考えてるね、宇宙船の修理素材はもう積んであるけど、それなら目的の星になさそうな金属で出来た缶詰をもらおうか」
「ありがとうございます」
「何が入ってるの?」
「もちろんお客様が大好きな、おいしい地球人がまるごとそのまま入っています」
「おお、素晴らしい、それに頑丈そうな缶だね」
「はい、ドラム缶と言います。地球人の丁寧な埋葬の方法のひとつで、このドラム缶にはぼこぼこに殴って加工処理して柔らかくした死者を入れて、コンクリートというかたくり粉を入れて、海に沈めたりしていたのをそのまま真似ました。もちろんかたくり粉の代わりにおいしい人汁が入っていますよ」
「そうか、じゃあその秋葉原美少女缶というのをくれ」
「お目が高い、これは新鮮なので生きたまま無加工無処理で入ってまして、48個ユニットになってまして、48個単位でお求めになるとお安くなりますよ」
「よし、頼む、よだれが出てきたよ」