「日本だけに主食の概念があるのな」
「欧米はパンを食べるけど、決してそれが主食というものではなく、食べ物のひとつという概念だわね」
「他のアジア諸国にも主食というものは有りそうに思えるが、やはり特別な思い入れがある訳ではなく、今は多く取れるからとりあえず食べているだけという感じだ」
「日本だってパンも食べる様になって主食はこれだっていう概念が薄れつつあるわよ」
「確かにそうだが、我々を食べる宇宙人、頑なに人間だけを食べるんだよな」
「そんなに他の地球の生き物と組成が違う訳でもないし、おいしいのかしら?」
「いや、どうやら地球の食物連鎖のバランスを考えて、今は人間だけを食べているようだ」
「無理して食べているのね、でも、食べられるほうとしては悲しいわ、どうにかおいしく食べてもらいたいわ」
「そうだな、品種改良していろんな味の人間を作ってあげよう」
「いろんなブランドのおいしい人間をいっぱい作ったのに食べてくれないわね」
「…、それどころか地球にはもう興味がないようだ」
「地球の食物連鎖のバランスが正常になったと勘違いしたのかしら?」
「ブランド品が別の種と判断されたんだな」
「実際、人間の肉の味を変えるのに遺伝子をいじりすぎて別のブランド品の人と子供を作れなくなっちゃったものね」