ss1392 予知能力
「おーよちよち、泣いてんのか? 有罪実刑判決だものな、俺が変わってやりたいところだが…」
「ひどいわ、地震予知が外れたからって…」
「我々超能力者はその能力の行使に社会的責任を課せられる様になった。仕方ないじゃないか、我々に対する偏見と差別を無くす条件で、責任ある仕事を任される様になったんだから…」
「それは良かったと思うけど、予知は予知よ」
「しかし変だな、きみの予知は今ままで百発百中で外れた事はなかったのにな」
「あっ、ちみたちごめんごめん有罪実刑判決取り下げだよ」
「えっ、ほんとうですか!?」
「うん、読心能力のある超能力者が、サイコキネシス能力者の心を読んで発覚したんだ、サイコキネシス能力者が巨大地震に打ち消し反発する様に逆方向に同じ規模の揺れを起こした事が判った」
「そいつは巨大地震を打ち消し、人々を救ったのになんで黙っていたんだ?」
「判るわ、そのサイコキネシス能力者、あたしの百発百中の予知能力に嫉妬していたんでしょう?」
「うん、そうだったんだが、結果的には良い事をしたんだが、規則で逮捕して裁判にかけたいところなんだが、」
「読心能力者に心を読ませたら、逮捕したらサイコキネシス能力で暴れてやるみたいな?」
「ちみはテレパシー能力者だね、そういう事なんだよ、サイコキネシス能力者に素直になる様に催眠術をかけてくれるね?」
「もちろんです!」
「ぼくに読心能力が無くても、ちみが彼女の事が好きなのがよく判るよ」
「まあ、でもあたしには催眠術をかけないでね」
「も、もちろんです!」