ss1385 宇宙船地球号
「遂に人工の太陽を造る事に成功した」
「出発の時ね」
「うん、宇宙船地球号の出発の時だ」
「人工の太陽は月よりも小さいのね」
「うん、近くを回って一緒に宇宙旅行に行くから小さいくていいんだよ」
「月も連れて行くのね、太陽だけじゃなくて」
「そうだよ、地球上の生物は月の引力の毎日の変化、毎月の変化によって進化して来たから、これからも絶対必要なんだよ」
「そっか、まあ凄い、ちっちゃい太陽なのに日食するのね」
「そうだよ、緻密に計算して位置を決めているんだ、だから日食だけじゃなくて月食も起こる様になっている」
「地震!?」
「宇宙船地球号が動き出したんだ!!」
「けっこう揺れるわね」
「最初はね」
「なるほど」
「ほら」
「ほんとうね、だんだん揺れ方が変わって来たわ」
「…」
「…」
「もう、揺れ方がそれなりに安定したようだけど…、あんた顔色が悪いわよ」
「きみも…、みんなも…、この揺れ方は耐えられないな、なんとかならないんだろうか」
「宇宙船地球号だからね」
「乗り物酔いか」
「吐かないでね」