ss1384 ビッグ・マザー

「ある種の学習には、その時期にしか習得できない〝臨界期〟あるいは〝感受性期〟がある。」
「言語の習得や絶対音感、社会性やストレスへの対応能力の獲得など、幼若期に習得しておくべき学習が有るという事ね」
「そうだ、それが〝臨界期〟〝感受性期〟を過ぎてもこの甲状腺ホルモンを元に調整開発した〝インプリンティング投薬〟の投与で本来、学習できる時期を過ぎても人為的に習得できるようになった」
「〝我等〟に〝ビッグ・ブラザー〟に忠誠を誓う〝党員〟を大人になってからでも作る事が〝洗脳〟する事が出来るようになったのですね」
「そういう事だ。この〝インプリンティング投薬〟の投与でどんな人間にも改造出来るのだ」
「あたしは〝ビッグブラザー〟の一人よ、あたしの自由になる人間を数人ボディーガードとして〝洗脳〟したいわ」
「…」
「なによ」
「ボディーガードの意味が違うのでは」
「なんですって」
「その、美少年リストって…」
「あたしの体にぴったり貼り付いてガードしてもらうのよ」
「みんな軟弱そうに見えますが…」
「あたしがみんなを守ってあげるから良いのよ」
「…、〝ビッグ・マザー〟に従います。」