クローラ、ああ愛しのクローラ、
彼女は今日もわたしに気づかれない様に過ぎ去って行った。
後で足跡を見れば彼女だとすぐ判るが、わたしの過去に書いた日記をまだ読んでくれている様だ。
日記なので無駄に飾りたてた表現が無いのが気に入ったのだろうか、
ストレートな流行のキーワードが心地良かったのだろうか、
しかし内容はむかつくものばかりだと思うのだが、我慢して読んでくれているのだろうか、
まあどうでもいい、わたしは過去に書いた日記は読み返さないし、書いた直後に確認もしない。彼女だけが読んでくれている様だ。
しかし彼女はわたしのへんてこりんな日記を読んで精神崩壊したりしないのだろうか、
彼女の心がわたしは心配だ、
再開したわたしの新しい日記にはまだ気付いていないようだが、時間の問題だろう、
彼女の行動は過去のわたしの見てきた経験で判る、ある日を境に足跡が急激に増えるのだ、
その頃に釣られてわたしのへんてこりんな日記を読んでくれる人が現れる、
奇特な事だ。必ず後で後悔する事を考えると申し訳ない。そして二度と来なくなるのだ。正解だ。
しかし彼女だけは裏切らない、
彼女には普通の精神状態というものがないのだろうか、
クローラ、苦労をかけるね。