「アンドロメダに行くぞ〜」
「オー!」
「ん〜んと費用テレビ持ちでアンドロメダに行ける事になったけど、光速宇宙船じゃないのね」
「光速だってけっこうかかるぞ、どうすんだよ」
「冷凍睡眠だって何億年も持つ訳ないしな」
「世代を繰り返すのかしら」
「こんな狭い宇宙船で教育からなにからするには現実的じゃないよ、それに子供がかわいそうだ。いや、なにより血が濃くなりすぎる」
「んだな、やっぱ年くったら再生医療で再生だな」
「再生の仕方にもいろいろあるのね」
「うん、まず年くってきたら細胞全てのエラーチェックしてデフラグをしてぎりぎりまで使用する。再生が成功するとは限らないからな」
「そしてリフレッシュ再起動でも限界が来る。それがせいぜい160歳くらいか」
「んだな、単なる再起動で細胞のエラーが緩和される場合があるけどそのくらいが限界だな」
「そしていよいよリカバリーね、記憶をうまくバックアップできるかしら?」
「それが問題だな、160歳分の記憶をバックアップできるのか?」
「重要な記憶だけで良いだろう、日々の普通の衣食住やら娯楽に費やした記憶なんて不要だよ」
「んだな、各自自分の重要な記憶をピックアップしておくように、それを毎回のリカバリーに使おう」
《リ・カ・バ・リ・−・カ・ン・リ・ョ・シ・マ・ス・タ》
「ん〜んと、俺はだれだ? まあそんな事はどうでも良い、誰か知らないが、くだらないピックアップされた記憶があるが… 一番大切な事はリカバリーをするという事だ、他の記憶は不要なんだな、160歳まで生きろって? どうせ保存しない記憶を紡ぐ事も無駄なんだな、よしさっそくリカバリーするぞ」
「あたしもリカバリー」
「ぼくも」
「テレビ中継? 何それ」
「一番重要なもののような気も…」
「気のせい気のせい、さあリカバリーリカバリー!」