ss1360 バリアー
「宇宙でこうやって宇宙服も着なくて宇宙遊泳が出来るなんて…」
「バリアーのおかげね」
「そうね、なぜ今まで気付かなかったのかしら」
「空気がバリアーになるなんて思わなかったのよ」
「そうね、地球を守っているバリアー、大気をヒントに改良した気体で完璧なバリアーが出来てしまうなんてね」
「人間が元々もっている微弱な磁場や重力に引っ張られて、空気をまとって維持出来るなんてね」
「まあ面白い、宇宙塵が隕石のように燃え尽きてゆくわ」

「あら?」
「あいつまた来たわね」
「あなた美人だから、この空気のようにあなたの磁場や重力に引っ張られて男が来るのよ」
「うざいわ」
「あっ、あなたそんなに空気を買ってたのね、何するの?」
「見てなさい」
「あっ、そんなにぐるぐる回る運動しちゃだめっ! 磁場や重力が少しでも大きくなると…」
「さあ来い!」

『ぎゃあああああああ〜』

「燃え尽きたわね、この男」
「本望でしょ、かなわぬとはいえ恋に挑んで燃え尽きたんだから」
「分厚い完璧なバリアーね」
「でも、いい男が来たら運動しないでじっとしているわ」
「…」
「あ、そうじゃなくって、ちょっとだけ動いて熱熱にしようっと、うふっ」
「…」