ss1357 魔法の薬
「魔薬ね」
「そう、悪魔になれるのよ」
「薬の技術は進歩したものね、なんにでもなれちゃう」
「そうね、最初は体を治すのが目的だったけど、体の悪いところを根本から治せる様になったころから、こんな薬も作れる様になってきた」
「体の悪いところの細胞を死滅させて、健全な新しい細胞を増殖させることができるようになって、その新しい細胞を増殖させる時に一工夫すると… こうやってかわいい小悪魔だってなれちゃう。素敵だわ男の子たちがこれであたしに夢中になっちゃうわ」
「その男の子たちも変な薬を飲みはじめたわよ」
「きゃあなあに? 奇妙な生物になっちゃってるわね、ヒトじゃないじゃない? 宇宙人になったつもり?」
「違うわよ、かつてこの地球に居た他生物≠ニいうものよ」
「こわっ! ヒト以外の生き物がこの地球に居たなんて…」
「やばいわ、そんな他生物≠ネった男の子たち、脳まで小さくなってヒトだったことを忘れて、ヒトを襲い始めたわ」
「まあ、かわいい他生物≠煖盾驍フね、小悪魔は相手にされなくなっちゃったから、今度はこれになろうかな」
「やめときなさい。脳まで小さくなっちゃうんだから、自分がヒトだったことも忘れて、薬も飲もうともしなくなるわ」
「いいんじゃない?」
「まあね」