ss1356 花の惑星
「まあ、ここは…」
「かつて地球と呼ばれていた星よ」
「きれいな、きれいなお花畑ね」
「ほんっと、においも、かおりも最高よね」
「切り花にして持って帰りたいわ」
「それはだめよ、体液が大量に出て、一気に枯れてしまうそうよ、地球のお花は…」
「まあ残念、でも試しに一本切ってみたいわ」
「そうね、誰にとがめられるという訳じゃないから切ってみましょう」

「ぎゃあああ〜 赤い体液が噴き出して来たわっ!」
「本当だったのね、この花たちはかつてこの地球を支配していたヒトという動物だったのよ」
「まあ、動物? なにそれ?」
「あたしもよく解らないけど、それをあたしたちの様に植物人間に改良したのよ、地球の破壊者だったからヒトは…」
「ふ〜ん」
「ヒトのお花はほんとうは下にあるんだったそうだけど、おかしいのでちゃんと上にもってきたわ」
「よいかおり、きれいきれい。」
「あなたね、そんなに鼻を近づけてくんくんと… それにそんな触り方して… 解ってるの?」
「解ってるわよ、理科の時間に習ったわ、お花は生殖器なんでしょ? これはヒトの生殖器なんでしょ?」
「そうよ、あたしたちの仲間の植物も原種としてこの地球に居て、あなたのした様な感じで、はずかしめをヒトから受けていたようよ」
「いやん、やだ〜」
「あ、やめなさい! つまんだり花びらをむしったりしちゃまた…」
「ぎゃあああ〜」