「なにしてるんだ?」
「おまえが作ったヒトというもの、完全に消すには惜しいよ、もうちょっと遊べるよ」
「ああ、読み込めなくしただけでまだ完全には消えてないんだな、復旧ソフトで元に戻せるのか」
「うん、戻せる。でも完全には同じにしないよ、再生医療とかいうのもおまえの作ったストーリーにあっただろ? ぼけで空洞化した脳細胞を再生させて第二の人生をこんどは俺が作ってみるよ」
「人格が変わったな」
「新しい脳細胞にはそこからの新しい人生がはじまる。左脳を損傷して右脳だけになったヒトが別人格になったっていうおまえの作ったストーリーが面白くてな、俺もそうしてみるんだ」
「オリジナリティーの無いやつだな」
「まあまあ見てろって、ほれ」
「おまえもアンドロイド作ったのか!? しかもなんというデザインのアンドロイドだ!」
「ほれ、こうして…」
「LAN回線で繋ぐとな」
「おれのアンドロイドにはヒトとはまったく違う思考回路、生活行動、繁殖の仕方を書き込む。」
「なるほど、俺のストーリーではスペースシャトルを止めて、本格的な宇宙ステーション、宇宙エレベーターの実現の前段階で人生を終わらせようとしたからな、本格的な宇宙ステーション時代にはお前の考えたとんでもない異星人が必要という事だな」
「異宇宙からの宇宙人という壮大な設定。壮大なコンタクトストーリーだ」
「実際にそうだな、器のコスモス、アンドロイドが違うんだからな」