ss1346 仮設住宅
「仮設住宅に居られるのは二年間だけなのね」
「うむ、その間になんとかしないといけない」

「災害の規模が大きかったから、復興事業の規模も大きいのね」
「うむ、復興景気で職にありついてみんなどんどん仮設住宅から卒業していくな」
「あんたも職にありついたじゃない。まだこんな狭いとこに居るの?」
「こうすれば良いのさ」
「あっ、両隣居なくなったからって壁を貫いて…、そんなことして良いの?」
「わかりゃしないよ、何千戸もあるんだから」

「巨大な豪邸になったわね」
「うむ、外見はともかく内装はやってきたから大豪邸になった」
「二年経ったのに追い出されないわね、まあ阪神の時もそうだったからかしら」
「つか、ここ高台すぎて忘れられてるくさいぞ」
「戸数を確保するためにインカの天空都市みたいに空気まで薄い超高台に作ったからな」
「五百年くらいは発見されないかもね」
「うむ、発見された時に凄いって言われるような未来都市にするぞ!」
「すでに高台へ高台へと移動出来る動力も付いているしね」
「え!? え〜と、仮設住宅はなんとかの動く城だったのか…」