ss1338 まぁ〜な、そういうことで。
「日本ってマナーの国?」
「どうかな? ぼくは両極端な危険な国だと思うよ」
「え?」
「その最大の特徴として個人攻撃を平然と国をあげてテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ネットで行なう」
「どういうこと?」
「他の国では決して行なわないタブーなことなんだ、巨大媒体による個人攻撃は。後で病気によるものだと判るとピタッと止まったけれど、道化師として岡本太郎や長嶋茂雄の末期症状の言動を、面白おかしく何年もバラエティー番組など公共の媒体でちゃかし続けたことが有ったろう?」
「そ、そうだったわね、確かに。政治家や能、相撲、歌舞伎業界に対しても組織へというよりも卑劣な個人攻撃をして国民全員で楽しむという行為を平気でする国だったわね日本は」
「他の国では大企業やフリーメーソンや王侯貴族など巨大な権力への不正や公害や社会問題に切り込む勇猛果敢なニュースレポートが中心だ。基本がそれでその流れのなかでやっと個人の名前も出てくるが、個人攻撃に終止することは決して無い」
「恥ずかしいわ」
「だろ? これからはなんとか普通の国になろうよ」
「でも、行列を作って並んだり、指導者や役人の言葉を守ったり…」
「だから精神的に捻じ曲がって行くんだよ、だから個人の苦しむ姿を見て楽しみたくなったり、だからネジが外れて爆発してとんでもないことをする奴まで出てくる。もっと不満を溜め込まずに人間的に生物的に自由に生きようよ。表面的に良い子っていうのがどれほど不気味なことなのか自覚しようよ」
「そ、そうよね」
「そういうことで」
「あっ横入りしないで! 原子力宇宙船用のプルトニウムが不足しているのよ! 満タンはだめだってば!」