「共同生活ってプライバシーの侵害じゃない?」
「そうよね、学校生活、宿舎生活、軍隊生活、船舶生活、そして狭い宇宙船での長期生活…」
「一時的に自然災害でも共同生活でプライバシーの侵害になるわ」
「でもそもそもあたしたち多細胞生物であることそのものが、個々の細胞にとってプライバシーの侵害なんじゃない?」
「そっか、そうよね多細胞生物は共同生活しているのよね、役割を決めて脳細胞になったり内蔵や皮膚そして性細胞になったりしてぴったりくっついてプライバシーなんてあったもんじゃないわ」
「擬似多細胞生物な細胞性粘菌みたいに必用以外の時にはばらばらに暮らせないものかしら?」
「それよそれっ! 宇宙人に襲われた時や地球の危機の時だけ合体して人間になればいいのよ! あとは自由にプライバシーを守りながら暮らすのが良いわ」
「うん、細胞性粘菌みたいに合体した時の偶然の場所によって足になったり頭になったり生殖器になったりするのもスリルがあって良いわ、合体の度に役割の不公平もなくなるしね」
「あっ、インベーダーが来たわ地球の危機よ合体しましょう」
「ええ、あたしたち単細胞生物が合体して人間になってインベーダーを追い返しましょう」
「まさか、インベーダーもプライバシーを重んじる種族だったなんて」
「しかもあたしたちと互換性があるわよ」
《地球人のみなさん。あたしたちと合体出来ましたね。これであなたがたも宇宙人の仲間入りです》
「良かった。平和的なインベーダー行為ね」
「あたし宇宙人の触手細胞になっちゃってるけど…」
《いいわよ、プライバシーを尊重するわよ、またばらばらになる?》