「すっげえな、人間の歩く振動で発電するのか」
「最近の静かな電気自動車の微妙な振動でも発電するのよ」
「今まで捨てていたエネルギー源なんだな、生活から出る振動は」
「そうよ、過去の教訓からもうこの星では火力・水力・風力・原子力の非力で危険でコストのかかる発電は禁止されたからね」
「地震でも発電するんだな」
「ええ…」
「逞しいといえば逞しいが… 地震はこの星では最大の試練だった」
「でももうこの星は電気エネルギーには困らないわ。耐震住宅から全て免震住宅になったけれども、免震住宅の微妙な振動でも効率良く発電するからね」
「電気を溜めて留める技術も、電気の種類の変換技術も、送電技術も飛躍的に向上したんだな」
「そうよ、一つの中規模の地震でも一年くらいは電気を使いほうだいよ。それから震源地を予想してそこに丈夫な発電装置を設置したから、そこで地震が起これば電気を他の星にも売れるくらいに採れるわよ」
「地震が災害ではない時代が来るなんて… エネルギー源になる時代が来るなんて…」
「免震住宅は密閉度も完璧なのよ」
「津波で浸水しても大丈夫という事か。恐竜の絶滅の時に海に落ちた隕石クラスでも大丈夫かな?」
「それは想定外よ、宇宙からの攻撃までは考えていないわ」